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なおと世界一周旅日記  Vol. 30  「本当に浮いた!!ー死海ー」

9/30(火)      in  アンマン (ヨルダン)

世界の自然現象七不思議のひとつ、死海。
標高マイナス400mという世界で最も低い位置にある湖。
塩分が極端に濃い水のため、人が沈むことなく水面に浮遊することができる。
泊まっているアンマンのクリフホテルからバスとヒッチハイクで
1時間かけて死海に向かう。
誰が死海というネーミングをしたのだろう。
ちょっと薄気味悪いが、本当に浮くのか・・・確かめるべくやってきた。
そんなに汚くもきれいでもない湖の中におそるおそる
ゆっくりと浸かっていく。
すでに肌で感じる水の感触が、普通の海で感じるそれとは違う。
何か、すごく柔らかいというか、まろやかというか、
とろとろ感があるように感じる。
体が全部つかる前に、なめてみることにした。
指についた水をなめてみる。
うわっ!!痛っ!
この感覚は初めてだったので、舌君がびっくりしていた。
辛いとか、しょっぱいとかを越えて痛いのだ。
そうとう濃い塩分であることを体を張って試したようだ。

それではいよいよ体を水に預けて預けてみようではないか。
仰向きにゆっくり水の上に寝るように、体を倒していく。
するとどうだ。
いつもならここで足をバタバタしなければいけないところだが、
今は何もしなくても、ふわっと、体が浮いている。
死海で浮く
すげー。ほんまに浮いた!浮遊や!
気持ちいい。
浮くために足で水をかがなくていいから楽やなー。
宇宙へ行ったら、もっと無重力を感じるのかなー。
どんなのものであろう。
俺の人生の旅の最大の夢は、宇宙から地球を眺めることだ。
もうその神秘を見ることができたら、この上ない最高の幸せだろう。
自分の住んでいる星を外から、一回でいいから見てみたい。
2050年の夢やね。

死海からちょっと日焼けした顔で、アンマンに戻った。
アンマンの街を歩く。
アラブの国に入っていろんな街に行ったが、基本的にそんなに変わりは
ないので、街を歩くときのテンションは普通になってきてしまっている。

やってきたのは、ローマ帝国時代に造られそのまま残っているという、
ローマ劇場だ。
門をくぐると、それはそれはスケールの大きい空間が上に拡がる。
もちろん屋外である。
6000人もの人を収容でき、ヨルダン一の大きさを誇るという。
円形劇場の一番上方の客席は、ステージから30〜40m位あるであろうか。
かなり急な階段を登っていき、一番上に行ってみると、
全空間が見渡せ、大変眺めがよい。
ここで、何千年前も昔から踊りや歌の数々のショウが繰り広げられたのだ。
舞台に立っている人からの眺めはどうか。
また下に降りて、円形のステージに立ってみる。
そして、歌を歌おうかなーと思ったその瞬間、地元のおっちゃんが寄ってきて、
「そこじゃない、ここに立て」と、立ち位置を指示される。
何でだ?と思いながらも、それに従い、矢印がクロスしているマークが薄く彫られている場所に立ち、客席の方を向いて、少し声を出してみる。

あっ!!  すげー!!

今まで聞こえていた話し声ではなく、囲まれた石に声が反響し、
すごいエフェクト効果を生んでいる。
自分の出す声と石にぶつかって帰ってくるその声の時間差が
この効果を生んでいるのだろう。
電気がまったく通っていないのに、マイクで声を拾っているかのようだ。
かつて、大阪のアメリカ村にある三角公園でストリートライブをしたあの時も、
同じような効果に驚き、感動したことを思い出す。
その何倍ものエフェクト効果のあるここローマ劇場にて、
もう俺の心は歌わずにはいられなくなっていた。
ゆっくりっゆっくり、声の響きを確かめながら、そして、
上の方まである客席を眺めながら、
心地よく歌っていた。
一曲歌い終わると、まばらな拍手が聞こえてきた。
あちこちに散らばった客席の地元ヨルダン人の若者やおっさんが
うれしそうに、こっちをみて拍手をしてくれている。
そして、「続けろー、もっとやれー」といったアラビア語であろう言葉と、
そういったしぐさを俺に向かってしてくる。
もちろん、そのつもりとばかりに、アカペラで次々と歌を歌う。
観客の数、6000人分の20人。
ここに6000人が入ったら、すごいだろーなー。
夕暮れのアンマンの心地いい風に乗せて。

もしワールドツアーでヨルダンに来ることがあったら、間違いなくここでやろう。
もう一度この場所で。。

  アンマンより    死海はホントに浮く★なおと



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