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なおと旅日記  Vol. 19 「トルコ人の仲間」

9/5(金)    in トルコ・イスタンブール

「ニホンジンデスカ?」 あまりにも不意打ちだったので、
俺までなまって「ハイ、ソウデス。」と言ってしまった。
3人組のトルコ人若者に声を掛けられた。
それは、街の人の適当な情報に振り回されあっちへ行ったり、こっちに行ったり
2時間程歩き回り、ようやく目的地に辿り着いて、
「ふー着いたー」っと言おうとした矢先の出来事であった。

トルコに着き早速街を歩くと、そこは明らかにインドとは違った。
住み心地がよさそうである。
まず、道路に牛の糞がない。街全体がいい匂いである。
清潔である。
ちょっと寒いが,湿気がないので快適だ。
人も信用できそうだし、何といっても女の子がカワイイ!!スタイルもとてもいい。
ここはヨーロッパだ。
物価はインドに比べるとかなり高いが、旧市街、新市街と練り歩く。
なんともいえぬ心地よさを感じながら。
すると、3歩歩くごとに目に付くポスターがあった。
初めは気に掛けなかったが、
いい加減内容を読んでみない訳にはいかなくなった。
どうやら「Rockn' coke」という音楽フェスティバルがイスタンブールで
6、7日の両日に開催されるということだ。
トルコ人のバンドや、なんとヨーロッパからはカーディガンズや、
ペットショップボーイズなどの名前も確認できる。
もう少し調査を進めると、トルコ最大級の野外イベントの第一回目(コカコーラ主催)ということで、TVでも新聞でも大きく取り上げているらしい。
日本でいうフジロックであろう。
これは見に行かないといけないでしょう!!
だんだん気持ちが盛り上がってきて、早速チケットを買うべく、人に尋ねるが、
英語が通じないというのは、なんとめんどくさいことか。
あっちだと言われ行ってみると、今度は今来た方向を指し、あっちだと言う。

ようやく店に辿り着くと、トルコ人の若い女の子達に声を掛けられる。
「マジデ?」などを使いこなし、日本の若い子の日本語をしゃべる。
彼女の名前はエニセ。
ついこの間まで、日本に一年間留学していたという19歳の女の子。
もう一人の女の子は、ヨーロッパ的な顔立ちをしたデニス。
英語が達者でよくしゃべる。
21歳の男のエフェムは、幾分体の大きな、
黒い顔立ちをしたアメリカ育ちのナイスガイ。
「ロッキンコークに行こうと、チケットを買いにきたんだ。」と言うと、
エフェムが、「マジか!?俺も行くんだ。一緒に行こう!!」と、すんなり決まった。

そのあと、さらにサルプという男も加わり、5人で飲みにいった。
トルコの伝統音楽を生演奏している雰囲気のいいお店だ。
そこでトルコと、日本について語り合った。
トルコは、ほとんどの人がイスラム教信者(モスリム)である。
イスラム教のことをいろいろ話していると、面白いことが判明する。
最近の若者は、どうやらお祈りを頻繁にしていないようである。

エニセ 「だってー、忙しいもん。
     そんなモスクとか行ってる時間ないしー。
      若者はほんと行かないねー、モスク。
     一日5回のお祈りも無理だよ。時間がない。
      うちのお母さんは最近、モスクに行き出したよ。
     死に近づいて来たからねー。」
なおと 「今までお祈りをしてなかったのに、急に始めて神様は許してくれるの?」
エニセ 「わからない。大丈夫じゃない・・・?」

年々深く信仰する人は減っていっているそうだ。
これから這い上がっていく国は時間が貴重である。
勉強しなければならないし、働かなければならない。
かつて世界史上最も広い面積を誇ったオスマントルコ!!
ヨーロッパもアジアも北アフリカもすべて統一してしまったという、
とてつもなく強い国だったトルコ。
今では小さい国になってしまったが、もう一度あの栄華を目指すべく、
イスタンの中心街を流れる時間の流れは確かに速く感じられた。

教育に対して一番関心したのは、中学か高校を卒業した後、
みんな一年間語学だけを勉強する。
英語やドイツ語やスペイン語。
自分で選択した語学学校に進む。すごくうらやましい話だ。
俺ら日本人は大学を卒業した人で10年間英語を習っていながら、
殆どの人が自由に英語を操れない。
外国人と話していて、「何年英語を習ったんだ?」と聞かれる度に
「10年」と答えるのが、どれだけ恥ずかしいか。
日本の英語の教育システムの改善を願う。
でも、英語に限らず語学は、習うものじゃなく必要性を感じて自分からやらないと、
結局はものにならない。
日本にいる分には、まったく必要性がないのでやる気になれないのだろう。
まじ、世界を舞台に、いっちょうやったろう!!!!

エフェムと、サルプと男3人で、あさってのロッキンコークの
待ち合わせ場所・時間を決め、みんなと別れる。
その国やその街を深く知るには、その国の友達を作るに限る。
イスタンブールで偶然の最高の出会いをし、
ほろ酔い気分で心地よく誰もいないドミトリーでひとり眠る。

   イスタンブールにて         なおと

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