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なおと旅日記  Vol. 20     「う、うまい!トルコ人サッカー」

9/8(月)   in  トルコ・イスタンブール

昨日のロッキン・コークの興奮がまだ覚めやらぬ中、
イスタンブールの街を歩いていた。

日本のフジロックにあたる規模、
ロッキンコーク野外フェスティバル in イスタンブール!
ベストパフォーマンスは、スウェーデンのポップバンドのカーディガンズ!
2曲のメガヒットは、世界中の人々が口ずさめるようなまじキャッチーなリフで、
1万5千人のトルコ人で埋め尽くす会場は揺れに揺れていた。
そして、ロンドンからの3人組のシュガー・ベイブスの黒人のお姉ちゃんの歌唱力は、ずば抜けており、観客の他の二人のメンバー(おばちゃん?)への視線をも全部奪い、一人煌々と輝いていた。
ペットショップボーイズが、見事に期待を裏切った代わりに、
トルコのスカバンドのアテネ、これが、実に盛り上がる。
地元バンドということもあり、みんながトルコ語で大合唱!!!
会場が一つになった熱くすばらしいパフォーマンスだった。
一年に一回、しかも第一回目のこのイベントのタイミングに、
イスタンにいれて幸せだ!!
いろいろ、パフォーマンス面で刺激を受けた、実に内容の濃いイベントであった。

そして、ふらふらイスタンの街を探検している途中、サッカーコートに出くわす。
サロンコート(4対4のミニゲーム)だ。
ここは一発やったらな、あかんな。
そして、「俺は日本から来たんだけど、一緒に混ぜてくれよ!」と、伝えると、
快く自然に入れてくれる。
相手は、おじいさんがいたり、たまたま通りがかったおっさんで
いかにもサッカーのできなそうな人がいたりした。
その時まだ、トルコのサッカーをなめていた。

試合開始からしばらくは、うちのチームも好調だった。
リフティングで相手の頭上を越し、そのまま シュート!ゴール!!
こんな俺のスーパープレーも飛び出し、コート周りの観衆30人くらいも、
ドレッド日本人のプレーに大きな声援を送ってくれた。
ところが、次第にペースは相手チームに奪われ、攻めの二人の個人技と、
後ろのじいさんの固い賢明な舵取りに、うちのチームは全くと言っていいほど
歯が立たなくなっていった。
ほんとに、あのじいさんがどうしてあそこまで巧みにボールを操り、
あそこまで体力があるのか、信じられないくらいだ。
久しぶりに苦しいサッカーだ。
サッカーでボールを一方的に回され、点を入れられ続けるほどつらいことはない。手も足も出ない。
何だ。何でだ。
うちのチームと、相手チームの違い。
何だ?
うん?あのじいさんだ。
あのじいさんの役割をしてる奴がうちのチームにいない。
チームの心臓だ。
一見、前の攻めの二人が得点を量産し、活躍してるように見えるが、
実はチームのバランスをとってるのは、間違いなくあのじいさんだ。
日本サッカーの特徴であるクレバーさ。
これでなんとか応対できないものか。
俺は必死に、中盤でバランスをとり始める。
すると、みるみる巻き返し、対等な試合展開になってきた。
しかし、終わってみると、大敗であった。

トルコサッカーをなめていた。
トルコに来るまで、トルコと日本のサッカーのレベルは一緒ぐらいだと信じていた。
ワールドカップを仙台に見に行った時、トルコに1−0で負けた事も惜しかったし、
勝てた試合だったじゃあないかと心から思っていた。
トルコの3位という結果もまぐれだと受け止めていた。
しかし、違った。
ここには確実にサッカーの文化、ブラジルで見たサッカーの文化が存在していた。
街を歩けば、いたるところにミニサッカーコートが目に付くし、
国内のプロリーグの地元チームの市民の熱の入れようはほんとにすごい!!
ロッキンコークの帰りのバスで、一緒に行ったエフェムとサルプが、
トルコ語で「ベキシタシ(イルハンのいるチーム)は一番強いんだ!!」と、
自分たちの好きなチームを崇める言葉を俺に話していた時だった。
突然近くに座っていた若い女の子がすごいムキになった顔で、
「それは違うわ!!一番強いのはガラタサライよ!」と、俺らに立ち向かってきた。
まじ、日本じゃありえん。俺が「レイソル一番!」と言ったら、
「いや、ヴェルディーの方が強いんだから!」と、
本気で熱くなれる女子高生はどのくらいいるんだろうか?
日本はまだファンレベルでしかサッカーが浸透していないが、
歴史の長いトルコでは市民レベルでみんなが地元チームを愛しているからなー。
日本もJリーグ発足、10年。確実に日本サッカーは急激な発展を遂げ、
ナカタヒデのように、どこの国の人にも知られているようなスターも抱え、
稲、小野、鈴木、中村と、次々と海外に飛び出し、
まじでこれからが楽しみな日本サッカーである。

それにしても、サッカーの文化の根付いている国は、
一般人のサッカー技術レベルが高く驚かされる。
たまたま立ち寄った作業服姿の人、ひげをはやした温和そうなおじさん、
みんなサッカーをこよなく愛し、生活の一部としてサッカーを楽しんでいた。
トルコ代表がワールドカップで3位になったこと、今では、全然まぐれではなく、
納得の結果であると気づかされた日だった。

   イスタンブールより       サッカー小僧★なおと

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