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なおと世界一周旅日記  Vol. 66 「ドキドキ・イギリス入国審査」

12/12 (金)   in ロンドン(イギリス)

パリからロンドンまでは、いろんな交通手段で移動できる。
飛行機、電車、バス。
しかし、貧乏パッカーに選択の余地はない。
バスしかない。
ユーロラインというバス会社がヨーロッパ中を網羅しているので、
便利ではあるが、値段がアジア・中東に比べると、すこぶる高い。
さていつものように、ユーロラインのチケットカウンターで、
ロンドン行きのチケットを買う時の事だ。

悩んでいた。
片道だけ買おうか、それとも往復にしようかと。

イギリス、アメリカの入国審査はとても厳しいと、旅人の間では評判である。
出国時の帰りの切符を持っていないと入れてもらえないと、皆が口を揃えて言う。
国が不法滞在労働者が増えることを懸念して、帰りの切符を持っていない人を、入国させないということだ。
片道で入国されると長く滞在する可能性があるためだ。

窓口で、おっちゃんに、値段を聞くと、
パリ→ロンドン 片道/23ユーロ(約3200円)
パリ→ロンドン 往復/46ユーロ(約6400円)と普通に、
往復切符は片道切符の倍の値段。
事情もよく飲み込んでいたし、往復を買うつもりでいた。
これで堂々とイギリスに晴れて入国できるなら、安いじぁないか・・・。
と、思えれば良かったのだが、いざ買う時になって、
急にその3千円が惜しく思えてきた。
戻らないのに、なんで帰りのチケット分のお金まで払わなきゃいけないのか、
というケチな考えがどんどん膨らんでいった。
しかも、このおっちゃんは、バスだと入国審査は無い、と言う。
そんな筈はないだろうが、どれほど厳しいのか。
果たして片道切符でイギリスに入れるのだろうか、不安もあった。

しかし、だんだん根拠のない強気な心が勝ってきてしまい、勢いで片道だけの
チケットを買い、後はなるようになれ的体当たりで臨むことにした。
ケセラセラ。

バスに乗り、3時間ほど走ると、ドーバー海峡にやって来た。
フランス側の出国審査を受け、その後バスごと、フェリーに乗り込む。
「2時間後、このバスに戻ってくるように」と指示が出て、
皆、フェリーの中に入っていく。
船がようやくイギリスの国境にやってきた。
さて、入国審査である。
緊張の瞬間である。
いい審査官でありますように・・・頼む・・・。

「Hello!!」         
  「ヘロー」
「英語はしゃべれるのか?」 
  「ソウソウだな」
「何しに来た?」  
  「もろ観光だ。」
「どのくらい居るつもりだ?」 
  「まあ2週間だな。」
「どこに泊まるんだ?」 
  「My London HouseっていうB&Bだ。」
「職業は何だ?」 
  「学生だ。」  (注:ミュージシャンと言ったら、こういう場合はめんどうくさい。)
「学生証は持ってるか?」
  「ああ。・・・これだ。」 (カイロで本物学生証を作ったので、堂々と。)
「どれどれ。ふむふむ。いいだろう。 出るチケットは持ってるのか?」
  「いや、こっちで買おうと思ってる。」
「金はいくら持ってるんだ?」 
  「たくさんあるさ。カードだってあるんだぜ!」
「オーケー、いいだろう。」
 バチッ!!!(半年の観光VISAのスタンプを押してもらう音)
  「サンキュー!!バーイ!」
    
おお!! 通ったのか!!
俺は今、イギリスに入ったのだ!!
遂に、この旅のちょうど中間地点であるイギリスに入国したのだ!!

ラッキーだ。
片道で入国できたー。(3000円浮いたー)
あの審査官はいい人だったなー。
中東などのスタンプが押されているので、やや警戒してくるのかと思いきや、
(特にテロ対策の時期が時期だけに)逆に、たくさんの国を廻ってきたという事は、まだこれからも続くという事で、ロンドンで長く働く事はないだろうと、
通してくれたのかもしれない。

安堵感のせいで、笑った。
開放感のせいで、震えた。
あと何時間後には、遂にロンドンに到着するのだ。

ニューヨークと並び、世界の大都市であるロンドン。
さて、何が俺を待っているのだ!!??
いざ、出陣!


    入国審査はドッキドキ☆なおと



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