女川福幸丸

(宮城県女川町)

震災をきっかけに女川町の若者が中心になって立ち上げた団体です。これからどうなっていくだろうと悲しみに明け暮れていた頃、現場のピリピリとした空気を和ませてくれた音楽の持つ力の凄さを感じ、「女川福幸丸」の名の下でクルーを集め、音楽イベントの開催を決意。2011年10月30日の「我歴stock in 女川 ~福興編~」を皮切りとして毎年開催を続ける他、町内の復興イベントなどの担い手として活躍しています。ガレキは我歴。瓦礫はただのゴミではなく、今まで自分たちがそこで生きてきた証であり、思い出。だから瓦礫を我が歴史「我歴」と彼らは呼び、場創りを続けています。

ガーデンセットが到着! 2013.8.29

女川コンテナ村商店街にある女川福幸丸の事務所にお邪魔してきました。クルーのみなさんはそれぞれ本業があり、プライベートの時間を使って活動されています。そのため仕事終わりに合せて夕方に待ち合せ。日が傾き始めた頃にひとり、またひとりと職場から車で登場。この日集まったのは、船長、副船長、金庫番、狙撃手の面々。ちなみに、女川復興丸のみなさんは役職を船に例えて呼んでいるのでこんなご紹介になっています(笑)
震災後、主催イベントである「我歴stock in 女川」を始め、復興イベントや地域の催事の運営に携わっている女川福幸丸のみなさんとお話しする中で、「女川町のみんなが自由に活用できるテーブルやイスがあったらいいのに…」というアイディアが出ました。レンタルするにもお金がかかるし、どこかの備品をお借りするのも大変。そこで、未来スケッチ貯金箱からガーデンセットをプレゼントさせて頂くことになりました。
この日は、納品されてきたガーデンセットのお披露目!段ボールを開け、みんなで実際に組み立てて検品作業。どれも問題なくバッチリ。オーソドックスな白以外にも、女川福幸丸らしく大漁旗をイメージした赤・青・黄・緑のイスもプレゼントさせて頂きました。今後はあちこちの会場をカラフルに彩ってくれると思います。

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大漁旗を贈呈してきました! 2014.01.13

みなさん「大漁旗」ってご存知ですか?その名の通り、漁船が帰港する際、大漁であったことを知らせるために掲げる旗のこと。「大漁になりますように」という願いを込めて縁起物が色鮮やかに描かれており、船を華やかに彩る存在です。今では日常的に掲げられることはなく、新造船の進水式や地域のお祭りなど、御祝い事でしか見かけなくなりました。

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大漁旗は本来、新造船を進水させる船主さんへお祝いとして贈るもの。自分で作るのではなく、誰かから頂くものなのです。もちろん女川福幸丸は本物の漁船ではありませんが(笑)佐藤船長とお話しする中で「私たちの大漁旗があったらいいのに…でも自分たちで作るのは…」という声を受け、みなさんの船出を祝う大漁旗を贈らせて頂くことになりました!

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せっかく作るなら地元で手染めした大漁旗を贈りたい。今回も石巻にある山田染め工場さんにお力添え頂き、何度も話し合いを重ねながら女川らしい絵柄の大漁旗を制作!ちょうど年明けに仕上がったため、女川福幸丸の新年会に合せて贈呈式を執り行うことになりました。はじめて自分たちの大漁旗を手にし、みなさん予想以上に大興奮(笑)たくさんの笑顔と歓声に、本当に良かったと感じました。

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さっそく女川の海に掲げなければ!ということで、新年会の翌日に再集合。急なことで竹は準備できず、取り急ぎ用意できた物干し竿に新品の大漁旗を結び付けていきます。まずは大漁旗を担いで熊野神社を参拝。大漁旗完成のご報告と共に、今年の我歴stockの晴天と成功をお祈りしてきました。

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雪がチラつくほどの寒さでしたが、とっても楽しそうに大漁旗を棚引かせていたクルーのみなさん。この大漁旗はお魚の大漁ではなく、「たくさんの笑顔を招く旗」なのだと思いました。「やる気というか、福幸丸にとってものすごい力になりました。本当にありがとうございます。」この日の夜に頂いたメールに綴られていたメッセージ。女川福幸丸の更なる躍進をお祈りしております!

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女川でキッズたちとダンス! 2014.06.01

快晴に恵まれたこの日、「我歴STOCK in 女川 ~冒険編~」の応援にみんなで行ってきましたよ!今回の会場は女川町立女川小学校のグラウンド。震災後に三つの小学校を統合して新たに創立した学校です。町のわずかな高台に建っており、隣にはこの春に第一号の引き渡しとなった災害公営住宅や、プレハブの町役場、仮設住宅などが立ち並んでいます。

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エントランスにてさっそく大漁旗を発見!そしてグラウンドに入るとカラフルなガーデンセットがずらり!未来スケッチちょきんばこから贈らせて頂いた品々と久々の再会となりました。今回が初披露ということでどれも真新しい姿をしていましたが、これから女川のみなさんの手によって使い込まれ、町に溶け込んでいくのもまた楽しみですね。

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今回は会場が小学校ということもあり、女川の子どもたちに楽しんでもらえるようなお祭りにしたいとう女川福幸丸のみなさんの想いを聞き、何か協力させて頂けることはないだろうかと考えた結果、「未来スケッチちょきんばこスペシャルLIVE~ふりつけをならってキッズたちもいっしょにダンス!~」と題し、みんなで一緒に踊って楽しむプログラムを実施させて頂くことになりました。

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大歓声と共に温かく迎えて頂いたステージにも大漁旗が!まずはナオトの繰り出すボイスパーカッションに合わせてメンバー紹介。お馴染みのダンサーたちが、自己紹介代わりにそのダンステクニックを披露。その激しいパフォーマンスに、子どもたちは目をまん丸くして釘づけになっていました!

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初めはみんな恥ずかしがってお母さんから離れようとせず…。ステージ前のキッズエリアはガラーンとしていてどうなることかと思いましたが、少しずつ寄って来てくれて途中からは満員に!内心ドキドキでしたが、集まってくれてほっと一安心。緊張でぎこちなかった動きも徐々にほぐれてこの通り!みんな全身で楽しんでくれていました。

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今年のサブテーマである「冒険」という言葉は、逆境に立たされた状況や、誰も成しえなかったことにも、失敗を恐れずに果敢に挑戦してほしいという女川福幸丸から子どもたちへのメッセージなのだそうです。地元の潮騒太鼓や獅子舞、ご当地ヒーローたちをはじめ、外から応援に駆け付けたアーティストの方々、そして、会場で奔走していたクルーのみなさん。そんな大人たちの姿が、子どもたちの目にはどう映ったのでしょうか。今後も女川福幸丸の活動にご注目ください!

応援してくださった皆さんへ 2014.06.22

女川福幸丸クルーの方々よりお手紙をお預かりしましたのでご覧ください。今年の我歴stockを終えた今の気持ちとこれからのこと、そして「ちょきんばこ」を通して応援してくださった皆さんへの感謝の気持ちを綴って頂きました。

女川福幸丸 船長 佐藤 友視
女川福幸丸
船長 佐藤 友視
「女川で音楽フェスをやろう!」一番はじめは同級生5人でスタートした我歴stock。今ではそれが女川福幸丸という団体として、20名近くの若者が女川のためにと一緒に活動しています。ゼロからひとつひとつ築き上げていくことは簡単なことではありませんでしたが、女川町内だけでなく全国の皆様からもたくさんの応援をいただき、今もこうして活動が続けられています。本当にありがとうございました。女川のためにと言いながら、活動している私達自身も改めて女川の素晴らしさ、そして仲間の大切さを感じることができ、20代の若者としてとても貴重な経験をさせていただいているなあと感じています。これからも更に仲間を増やし、女川町から明るい話題をどんどん発信していけたらと思っています。
女川福幸丸 金庫番 青木 望
女川福幸丸
金庫番 青木 望
私たち女川福幸丸は震災時にラジオから流れてくる音楽を聴いて励まされ、その時改めて音楽の持つ力を感じました。音楽の力で女川町のみなさんが少しでも笑顔になって頂けたらという思いから、震災後、年に1回「我歴stock」という音楽イベントを開催しています。ステージには大漁旗が飾られ、ガーデンセットに座り、町民同士が笑顔で交流している姿を拝見することができ、改めてこのイベントを開催して良かったと感じております。ご支援頂きまして本当に有難うございました。深く感謝いたします。
女川福幸丸 研究生 阿部 泰樹
女川福幸丸
研究生 阿部 泰樹
僕は今回初めて女川福幸丸の一員として我歴stockに参加しました。当日はステージ班として機材の搬入などをしていました。賑やかな会場を見ていると、女川町で音楽フェスができていることがとてもうれしくなって、来年も再来年もずっと続けていきたいなと思いました。そして、福幸丸として活動する中で、我歴stockはたくさんの方々の協賛やご支援に支えられて開催できている事や、ひとつのイベントを成功させるには何ヶ月も前からの準備が必要なんだということを知ることができました。これからも女川の力になれるように頑張っていきます。
女川福幸丸 機関長 植木 智子
女川福幸丸
機関長 植木 智子
子供達が踊って歌って楽しめるステージは「子供達に音楽イベントを楽しんでほしい」という私達の思いにぴったりでした!子供達が照れながら踊る姿やナオトさんと笑顔でハイタッチする様子を見て嬉しく思い、イベントを企画して良かったと感じました。今後も女川町民に親しまれる、必要とされるイベントを目指して頑張っていきます!ご支援、我歴stock in 女川へのご出演、本当にありがとうございました!
女川福幸丸 錨上げ 佐藤 唯至
女川福幸丸
錨上げ 佐藤 唯至
大漁旗とガーデンセット本当にありがとうございました。大漁旗の文字通りたくさんの人達が我歴stockに足を運んでくれましたし、ガーデンセットも皆さんに使っていただいてよかったです。福幸丸は世代交代ではないですが、若いメンバーも入ってきて、ますます活気がでてきています。これからの若い人たちの活躍を願うという意味では大漁旗は最高の贈り物です。10年続けるつもりで始めた我歴stock。私たちがおじいちゃん、おばちゃんになっても受け継がれていることを願っています。
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