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なおと世界一周旅日記
       Vol.111 「大冒険③〜マチュピチュ行きドキドキ電車〜」

4/4 (日)    in オリャンタイタンボ(ペルー)

さて列車に乗り込むべく、いつ駅に近づこうか。 
今は出発の30分前である。

かっちゃんは、言う。 
 「なるようにしかならないんだから、自然に身を任せて、もう行っちゃおう。 
 ばれてもいいじゃん。しょうがないさ」っと。
がしかし、何も考えず、感覚だけで動く事には気が進まなかった。 
もちろん感覚は大事な要素だが、何の思慮も無ければ、失敗する事が多い。 
考えるだけじゃなく、感覚だけじゃない、
両方を駆使した一番いいタイミングがあるはずだ。 
確かに、ばれたらばれたで仕方がない。 
でも、ばれない方が、いいに決まっている。 
まずは、ばれない方法を考えるべきだ。
今、3人揃って行ったら確実に目立つし、列車に乗り込むどころか、その前に
駅構内のセキュリティに見つかってしまい、つまみ出されるのがオチであろう。 
自分なりの直感でも、今ではない。

もうちょっと、待とう。 
あと10分位してお客が乗りこみ始めたどさくさに紛れて、
近づいて行った方が得策であろう。

しばし待機し、少しずつ移動を開始した。 
駅から100mぐらいまで近づいた所で、
お客さんが駅に少しづつ入って行くのを確認した。 
いいタイミングだ。
駅が混雑してくるであろう。 
線路を渡り、右側の壁づたいを歩く。 
60mぐらいまで近づいた時、あの厳重な改札口だけではなく、
列車に乗り込む時に再度、チケットをチェックしているその光景を見た。 
愕然・・・。 
なんと、2段階でチケットチェックをするとは!
2度のチケットチェックを終えたお客達が次々と、列車に乗り込んでいた。
しかし、もう後戻りはできない。
突っ込むしかない。 
なおとを先頭に、3人は壁づたいを駅に向かって歩いて行った。

あまりの緊張で、それから約5分ほど、記憶が鮮明でないが、気が付いた時には、列車の中の棚の中に、最大限にこの身を小さくたたんで、既に隠れていた。

その5分の間の出来事は、恐らくこうであったであろう。 
しまった!! 列車に乗り込む際も、再度チケットチェックがあるのか?!と、
戸惑ったのは、ほんの一瞬で、その次の瞬間、電車の最後尾のドアが
開いているのが目に飛び込んできた。
それは、まるで別世界へ誘う不思議なドアーのようだった。
マチュピチュに通じている、ドラえもんの「どこでもドアー」のようだった。

その開いているドアーの奥には、2度のチケットチェックを終えて、
自分の席に着こうとしているお客たちが見えた。

何も考えず、何も言葉を発せず、ただ、そのドアーに吸い込まれていった。 
ハシゴのような階段を3段ほど上り、列車に乗り込み、別世界の光り輝く廊下を
歩き、その車両の一番奥にある棚に向かって一目散に歩いていた。
何も考えず、立ち止まらず、その場所に吸い寄せられていった。

あとからひろしの話を聞くと、乗客のみんなが我ら3人に
驚愕の視線を送っていたらしい。 
特に、チケット売り場で俺らがチケットを手に入れられずに、どうしたらいいかと、
相談を持ちかけていたカップルなどは、「ワーオー!」っと、
英雄を見るかのような笑顔で、3人を眺めていたらしい。 
オレは、無我夢中でまったくその時、周りは見えていなかった。

なんと、セキュリティーにも駅員にも気づかれず、止められず、
3人とも車中に乗り込むことに成功したのである。 
なんという奇跡が起こったのか!!??
確かにここまでは、パーフェクトにコトは運んだ。

電車が動き出してしまえば、こっちのもんだ。 
たとえ見つかってもわざわざ降ろさないであろう。 
チケットの値段分、金を払えばいいことであろう。 
オレは、棚の中に小さく小さくなって隠れた。 
その棚の前に小さくなって座り込むひろし、トイレにかっちゃん・・・と、
それぞれ隠れた。

最高潮のドキドキ渦の中、電車が動き出すのを今か今かと、待っていた。
早く、動けー。 
出発しろー。 
早く、もういいだろ! 
早く。 
時が、いつもの倍以上ゆっくり流れているかのように、
出発までの時間は実に永く感じた。 
電車が動き始めさえすれば、一気に今日アグアカリエンテスまで
行ける可能性が、高くなるのだ!  
一時、今日そこへ着くのは無理なのかと落胆したが、
今、事態は一転し、変わろうとしているのだ。

早く出発してくれー!
駅員、来るなよー。
俺らを見つけるなよー。
不安の中、興奮していた。

早く、出ろー!!
そしてついにその時が来た!!

ガータン。
ゴーーートン。

ゆっくりと、ゆっくりと車輪が回り始めたのを体全体で感じる。
横たわり小さくなっているので、電車の揺れをダイレクトに感じる。

おお!!よっしゃー!
ついに出発だ。
まだばれていない。

これで、今日アグアカリエンテスに着けるぞ!!
ゆけー!進めー! 電車よ!!     
 
                         つづく

〜次回予告〜
奇跡的にも無事車両の中に乗り込み、隠れた3人。
見事、見つからずに、電車はオリャンタイタンボを出発する。
が、しかし!! やはり一筋縄には!!?


      束の間のひと安心☆なおと


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