なおと世界一周旅日記 　Vol.102　　　「靴の仕立て屋」

3/18　（木）　　 　　　　　in　サンタクルス（ボリビア）

ボリビア、サンタクルス２日目の出来事である。
なんと！！泊まってる宿の近くに、靴の仕立て屋？修理屋が、
たくさん並んでいる広場を発見！！
その数、十数軒。
俺がその広場に歩みを進めると、おっさん達は、お客が来たぞー！！と
一斉にがつつき、大きな声で呼びかけ、手招きしている。
たくさんの店の中で、いつもなら直感が沸き、この人にしよう！！っと、
決めるところだが、今回は全く直感が働かず。
適当に一番近いおっさんの前に座る。

この旅に出る前、歩き易く、サッカーをしても壊れなさそうな
ナイキの安い靴を買った。
それを履きつぶす勢いで世界を回るつもりであった。
しかし、家を出発し、
１０分した時、ふと足元を見ると、履いているのは、ナイキのおニューの靴ではなく
いつも履いているお気に入りニューバランスであった。
　（*注 　ニューバランスのＮは、ナオトのＮだと、皆さんご存知でしたか？
　　何を隠そう、私のイニシャルは、ＮＮである。
　　そう、まさに俺のための靴であると、豪語しているのだが。)

あっ？？？！！　
それはお気に入りであり、履き込んできたＮバランス５７６の
グレー（イギリス限定）で、それなりに値段も張ったものである。　
そんな大事なものを今、履いている。
確かに俺の両足に覆い被さっている。　
しかも行く先は、ちょこっとその辺のコンビニにではなく、
1年がかりの世界一周という計り知れない壮大なアドベンチャーであった。

Ｆｕｃｋ  ｏｆｆ！！　どうしよう？！　と、一瞬慌てふためいた様子を誰かに見られたのではないかと、周りを見回したが、誰も見ていなかったので、ほっとしたりした。
そして　"これをさせたら右に出るものはなし"　お得意のプラス思考！
必殺スーパーポジティブ・スィンキング！！（自分でもあきれるほど・・・）

（犬にでも話しかけるように）そうか〜、おまえ、ついて来ちゃったんだな〜。
駄目だろ〜、お留守番してろって言っただろう〜。　
まあ、でもな〜、ここまで来ちゃったんだもんな〜。　
（といっても、まだ地元の駅）
やっぱ、履き慣れている方がいいに決まってるよな〜。　
それに、帰ってきたら味が相当出ているだろうしな〜。
よし、一緒に世界へ連れていっちゃる！
行くぞ！！
世界へ！！
お〜〜！！！

そうこうして日本を出発して8ヶ月、世界の約半分を歩いてきた靴。
いろいろな国々を歩くだけならまだしも、ボールを蹴ってきた。　
それは、普通の旅人の使用頻度平均を大幅に超えているだろう。　
そう、スパイク、ランニングシューズ、山登り用、御出かけ用おしゃれ靴、
この役割をこの一足で全部こなしてきた靴なのだ。

もうぼろぼろである。　
大きな穴が開き、靴下が見えている部分もあるほどであった。　
グレーの限定モデルは、ブラウンの限定モデルへと変わってしまっている。

いよいよ、お気に入りの靴をあきらめかけ、町中の靴屋で
新しい靴を買おうと見てまわっていた矢先の出来事。　
修理屋のおっさんの前に座ってから１０分後。
ニューバランス、別名ナオト・バランスの靴は、復活を遂げた！　
この先、残りの半年の旅路でも、完全に保 (も)ってくれるであろう。　
中国製の手縫いミシン、恐るべし。　
何でも、このおっさんは、ここの広場で２０年間、
この場所で靴や鞄を修理してきたというのだ。
２０年間の技術はすげえー。　
まじ、感動、まじ感動。
すげー、あの人、日本に連れて帰りたい。　
日本ならみんな、靴が破れたり壊れたりしたら、即、捨てるでしょう？　
靴が破れたり壊れたりしなくっても、流行遅れだって捨てるでしょう？　
「修理して、まだもう少し大事に使おう！」って意識は沸かないのではないか。
その辺の公園に靴の修理屋もおらんしな。　
こっちの人は、金がないから、ほんま物を大事にするのであるな。

さて、気になる修理代ですが・・・・・

なんと

それは、

１４０円。（１０ボリビアーノ）

有り得ん。

靴が壊れたら、これから、ボリビアに来ようと思った出来事でした。


　　　　　　　直せるものは直して使おう！！★なおと


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