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なおと世界一周旅日記  Vol.87  「長い長いサルバドール初日」

2/17(火)   in サルバドール(ブラジル)

朝の8時、無事「なお宿」に入り、荷物を置くや否や、ナオヤさんと話し込む。
「太鼓だけでなく、パレード中に歌を歌ってくれないか。」と依頼を受けた。
待ってました、と言わんばかりに、二つ返事で引き受け、「何を歌お〜か〜?」
なんて話しているうちに、いつの間にかセッションが始まっていた。

ナオヤさんが、サルバドール特有のブラジリアン・アフリカンなリズムを
叩き始める。
そのリズム感、タイム感。
なんと気持ちのいいグルーヴ!!
その心地いいビートにノリながら、それに合わせ、
ギター・カッティングでついていく。
時に、こちらから仕掛けたり、追っかけたり、合わせたり・・・。
久しぶりになんとも高いレベルの所で通じ合えるというか、
音で会話できる人とセッションしている喜びを、感じずにはいられなかった。

しばらくして、そのリズムに合わせ「上を向いて歩こう」をアレンジして歌う。
ブラジルのリズムに合わせて、リズミカルでかなりかっこいい曲になった。
ナオヤさんも、やや興奮気味に、「それ〜、いいね〜〜!」などと、言ってくれる。
その後も、バイーアのレゲエの歌を教えてもらったりして、
その音は、朝の「なお宿」に響き渡っていた。
「音を楽しむ」=音楽の時間はあっという間に流れ、
いつの間にか、お昼になっていた。

午後からは、ナタカトシアの練習があった。
そして、夜はなんと、ブラジルで一番大きいTV局の取材があるというのだ。
つまり、まったく何もわからない状態から、
とりあえず今日中に太鼓を覚えなければならないのだ。
16人から成る日本人太鼓集団「ナタカトシア」。
俺のパートは、メイオといって、大太鼓であった。
シンプルなフレーズとはいえ、キメの種類も多々あり、初めは少々てこずった。
が、除々に、その類いまれなるリズム感と、音楽に対する勘の良さで、
みんなについていけるようになっていく。(相変わらず自負・・笑)

そして、夜を迎えた。
なお宿からペロウリーニョ広場を通り、TV撮影がある通りまで練り歩く。
まだカーニバル二日前にも関わらず、旅行者たちの数は驚くほど多く、
前々夜祭のように、通りで演奏をし始めると、
俺らの周りにはアッと言う間に人だかりができる。
「日本人だけの集団」という物珍しさも手伝って、地元民も外国人も
みんなその太鼓のグルーヴに身をゆだね、踊っている。

なんと気持ちいいことか!人前で演奏するという事は・・・。
疲れているはずの体はアドレナリンをドピュドピュッと、分泌しまくっていた。

太鼓を叩きながら、周りで踊っている人を眺めながら、痛烈に思った。
この「中」に居る事が出来て、本当に幸せだと。
音を発信している「内」から、踊っている「外」の人たちを見ることが
出来てなんと幸せかと。
もし、「ナタカトシア」の一員でなく、これを外から見ていたら、
きっと強大な嫉妬心が沸き、「いいな〜、俺もやりて〜な〜。」と、
間違いなく誰よりも羨ましがっていただろう。
やはり、俺は人前に立って何かを表現するエンターテイナー魂が、
体の大半を占めているのだな〜と、改めて感じた。
と共に、ここで、今、太鼓を叩くことを誘っていただいたナオヤさんに
大きい感謝の念を感じた。
ありがとう、ナオヤさん。

ナカタトシアのメンバーの大半は、カーニバル1ヶ月前から練習を始めていた。
そんな中、2日前にポンときて、メンバーになった俺をみんなは
本当に暖かく迎え入れてくれた。
すばらしい連中である。
中には、一日である程度覚えて、普通になじんでしまっている俺に
 「あんた、あたしの一ヶ月返してよ〜。 ずっと練習してきたのに。
 なんで、すぐ出来るわけ〜?」
と、笑顔で俺の音楽的才能を認めてくれた人もいた。

ともあれ、36時間のバスの中であまり寝られなかった人とは
思えないくらい、音楽三昧の濃い、長い長い一日を過ごした。
そして「ナタカトシア」の一員として、2004年サルバドール・カーニバルに
参加できることを誇りに思う。


   ドンドンドドン・ドドドッコドドン☆なおと


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