なおと世界一周旅日記 Vol. 68 「バレエにオペラに」
12/22 (月) in ロンドン (イギリス)
コヴェント・ガーデンにある高貴なスポット、「ローヤル・オペラ・ハウス」にも
2度ほど足を運んだ。
二つの初体験をするために。
日本ではあまりにもチケットが高く、身近なエンターテイメントではなく、
お金持ち大人たちの高級娯楽のような位置にある「バレエ」と「オペラ」である。
これまでの俺の人生で、それらにお目にかかる機会は無かった。
バレエは「ジゼル」、オペラは「ホフマン物語」を鑑賞しましたさぁ。はい。
もちろん、両方とも頻繁にその名前は聞いた事があったし、
なんとなくどんなものかを、誰しも想像できるであろう。
ところが、それがどれほど面白いのかというのは、
実際生で観てみないと、絶対に分からないものであった。。
TVでは、全く伝わってこなかった面白さがそこには在った。
今まで「バレエ」に対して持っているイメージというのは、女の子のお稽古事
、
女の子がするスポーツの一種のような固定概念があった。
バレエを小さい頃から、習っていたという女の子の友達が
日本に意外に多かったからだろうか。
その衣装も、白いレースのヒラヒラのアレ・・・なんて呼ぶの ???
アレ・・・あの服の印象が100%、頭の中を占めていた。
同じようなイメージを抱いている人は、意外に多いだろう。
生のバレエを観て、いかに自分のイメージが間違っていたか、
そして、なんと面白いものなのか!と、感じるのに、長い時間はかからなかった。まず、演劇の一種であったことに気づかされ、驚ろかされた。
踊りというか、舞いというか、それだけで、成り立つショウなのかと思っていたが、しっかりとストーリーに演技が組み込まれたものだったのである。
衣装も、「白鳥の湖」的ではなく、ミュージカルと同様、
おのおのがその人物設定の服を着、セリフは一言もなく、
その物語の内容、人物の感情を踊りで体現してみせる。
もう一つ、それらを表現するのにその踊りと同じくらい重要な本質が、
クラシックの生演奏である。
オーケストラがステージの下で、踊りに合わせて演奏するのだが、
これが凄すぎる。
その音楽を聴いていたら、主人公が今、どんな気持ちでいるのかが、一目瞭然。いや、一耳瞭然。
何しろ、その曲調、テンポ、そしてその強弱で、
完全に観客の心をその世界に導き、浸らせてしまうのだ。
音楽の持つパワーの凄さを、改めて感じたと共に、指揮者の存在の大きさを、
痛烈に感じた。
その踊りは、俺の頭の中ではフィギュア・スケートの
伊藤みどりを彷彿させるものであった。
別に彼女に限定する必要も全くないのであるが、つまり、あのスケート靴を脱いで
氷上からステージに立ち、服を変えて、3回転半ひねりを観ているような感じだ。
貧しい表現力で、申し訳ない。
もちろん、そのフェィギュアスケートのフリー演技も、
このバレエから由来しているのであろうか ?
オペラの魅力は、なんといっても歌である。
なんせ、マイクなんて付けていないんだろう?
この大きな会場で、一番上の、一番後ろの席のこの俺にまで余裕で響くその声は声帯にマイクが搭載された天然マイクのような恐るべき喉である。
その発声法は、完璧にコントロールされ、その技術は、
相当の訓練のたまもの、財産なのである。
もし、彼らが、路上で恋人の名前を呼んだとしたら、
どのくらい遠くまで聞こえるのであろう?
もし彼らが、一緒の部屋であの音量で歌を歌ったら、
どれほどうるさいのであろう?
またまた、貧しい表現力で、申し訳ない。
もし、彼らがシリーズは、これからも増やしていこうと思うのだが・・・
ちなみにバレエは13£(2600円)、オペラは立ち見で7£(1400円)。
気軽に足を運べる値段設定なのが嬉しい。
もちろん、一階オーケストラの目前の席は、何万円もするのだが。
ロシアでのクラシックコンサートは、何百円で入れるらしい。
日本はチケット代が高すぎる。日本も、早くエンターテイメントに関して、
一般市民が気軽に楽しめる芸術・文化先進国になって欲しいものである。
エンターテイメント・シティ☆なおと