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なおと旅日記   Vol. 23    「日本よりも安全!?シリア」

 9/15 (月)      in  シリア・アレッポ

今まで行った事のある国は、街の看板のアルファベットの文字を、
なんとなくでも発音できたし、数字は共通なのでわかった。
ところが、ここに来てここまで完璧にわからない文字は初体験であった。
アラビア文字。
まったく読めない。
しかも右から左に読むらしい。
値段の表記もなんか訳のわからん象形文字。
これはなんでもインド数字の文字らしい。
アラブの国々ではインド数字の文字を使い、インドでは、アラビア数字を使うとか。
(そうやったんやー・・・)
なんでやねん! 逆やないか! シリア人もこの不思議に首をかしげていた。
とにかく、文字がまったくわからん。
蛇やら精子みたいのがいっぱい文字の中で泳いでいる。

シリアの北の町、アレッポに入った。
トルコのイスタンブールから中東を通り、
エジプトのカイロまでを陸路で行こうという計画だ。
当初の予定ではトルコからギリシャに入り、ヨーロッパを抜けようと思っていたが、
きれいな国は、将来新婚旅行で奥さんと「うわーきれいー」って
一緒に感動すればいいかなと考え直した。
そして、この旅の途中、数々の旅人たちが中東の魅力を教えてくれ、
次第に中東の安全に対しての不安よりも、期待の方が勝るようになる。
平和を強く願う人間として、世界の最大の問題の一つであるこの中東問題を、
実際、自分の目で見、自分の意見の参考にできたらなとも思う。

何も決まってない旅は、こういった順路の変更がいくらでも利くところがいい。
自分の直感に任せ、行きたいと思った国に行く!
「生きてこそ」が大前提だが・・・

「シリア」この国に対して日本人はどういったイメージを持つであろうか?
危険、危ない国、行っても大丈夫か?
そんなイメージを持っているのではなかろうか?
確かイラク攻撃の後、次の標的はシリアか?なんて報道もあって、
俺自身もそれほどいいイメージは沸いていなかったのは確かである。
ところが、一歩シリアに入って、街を歩き、人と触れてみると、
そのイメージとのギャップをまざまざと感じずにはいられないのである。
ほんとにシリア人はみんな底抜けに明るく、かなりの親日で、
街ではみんな声をかけてくる。、
「日本人の方、シリアにようこそ!!楽しんでってねー!」っといったような
笑顔をくれる。
子供たちは、くったくのない笑みではしゃぎ、大人や老人も子供のまま育ってているような、ほんとにきれいな純粋な笑顔をしている。
そしてお節介一歩手前ぐらいまで優しいし、インド人のように人を騙さない。
もちろん、悪い奴は中にはいるだろうが、それはどの国にも存在するし、
日本にも悪い奴を数えたらきりがない。
何しろ、とにかく、最高な人々なのである。
まじで、大好きだぜ!シリア人!と大きな声で叫びたいくらいだ。
夜一人で歩いていても危なくないし、とても安全な国である。
歌舞伎町の方が1000倍も危険であろう。

シリアに来なければ、この状況は絶対に感じられなかっただろう。
それだけでも来てよかったと思う。
日本にいると、中東のイメージは何によって創られるかといったら、
TVでしかない。しかもTVの情報といったらアメリカ寄りの報道であり、
アラブの国の方が問題であるといった視点でしか報道されない。

アレッポ城に登った時に、3人のシリア人の大学生に会い、2時間程、語り合った。
初めはたわいもない話をしていたが、だんだん中東情勢の深刻な話になってきた。
「どう思う?イスラエルの国の話。
シリア・レバノン・ヨルダン・パラスチナはもともと兄弟なんだ。
そんな兄弟があんなにされたら、やっぱりおかしいと思うんだ。
もともと俺らの土地なんだぜ。あそこ、イスラエルは。
じゃあ、もし君がある日、家に帰ったら誰か知らない奴が君の家にいて、
ここは俺の家だ。
出てけって言われたら、どう? イスラエルは、それと同じことをしているんだ。
それをアメリカが武器を売ったり、イスラエル軍を支援するのさ。
アメリカはだめだ。
世界征服をしたいだけなんだ。
イラク攻撃も結局、石油がほしいだけなんだ。
・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

なるほど、話には聞いていたが、生の声でアラブ人の素直な気持ちが伝わった。
アメリカ批判は、いろんなところで聞くが、果たしてアメリカが間違っているのか?
アメリカは正義なのか?
どちらにしろ、日本とアメリカの立場は、
あの敗戦以後ずっとこの先も変わらないだろう。
その場合の日本の、そして日本人としての役割は何であろう? 
ヒロシマ、ナガサキ、唯一、核を受けた国としての平和への強い願いを、
どうやって掲げればよいのか? 
もし、このまま第3次世界大戦が勃発したとしたら、
俺らは間違いなくアメリカにつかねばならなく、
こんな善良なアラブ人の血を流す手助けをすることになるのであろうか?

一方のイスラエル人の話をまだ聞いていない今の俺には、公平に判断し、
結論を出すのは難しすぎる。もっともっと勉強したい気持ちになった。
今の俺には、まだ自分の意見をまとめるには情報が少なすぎる。
この中東を歩き終えたら、何かしらの気持ちが生まれているかもしれないな。

   アレッポより     願!!世界平和☆なおと



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